遺産分割から、遺言作成、相続対策まで様々な相続に関する法務手続きをサポート致します。

相続法務センター

メール相談

事務所紹介

このサイトについて

サイトマップ

リンク

親の相続財産を子の借金から守る

債権者は、債務者がその債権者に損害をかけることを知りながら行った法律行為(詐害行為という)を取り消せます。ただし財産を目的としない法律行為はこの対象とはなりません。 こ

の点を踏まえて相続問題関連では以下のような詐害行為取消権の是非が関心を集めるところです。

判例からこの点を追求してみます。

@分割協議は詐害行為になる

《ケース1》

親が不動産を残して亡くなりました。相続人はAとBです。Aは借金だらけ。Aが不動産を相続してくれれば債権者はその不動産から債権回収をします。

そこでAとBは遺産分割協議により不動産をBが相続することにしました。遺言がなければ相続人全員の合意で誰が何を相続するかしないかを自由に決められます。

その結果Aは何も相続せず、無資力となり、自己破産の申立をしました。

債権者は怒り、この遺産分割協議は詐害行為だから取り消すように、と訴えました。遺産分割協議が債権者を害するために債務者の財産を減少させる行為とし、取消を求めたのです。

《判決》

最高裁(平成11.1.22)は債権者の訴えを認め、相続人間での遺産分割協議は詐害行為取消権行使の対象になるとしました。

遺産相続においては親の死亡でその財産すべてはいったんABの共有状況になったと考えます。

その共有財産を遺産分割協議で具体的な帰属を確定させるのです。いったん相続により所有した共有財産をないものとすることは、財産権を目的とする法律行為であり、詐害行為取消の対象になるとしたのです 。

A相続放棄は詐害行為にならない

《判決》 

最高裁(昭和46.6.21)は、同様に負債を持つ状況にある相続人が、相続放棄を行ったケースについて相続放棄のような身分行為については、詐害行為取消権の対象とならないとしました。

遺産分割協議はいったん共有となった財産を具体的に確定させる行為です。

だから積極的に債務者の財産を減少させる行為といえます。しかし相続放棄とは最初から相続人にならないということですから、最初から財産を取得したことになりません。

B遺言は詐害行為にならない

子Aの借金を知った親が生前に遺言で対策することは?

上記設例で親が「全財産をBに相続させる」という遺言を残しました。遺言により不動産はB所有になります。この場合には遺産分割協議は不要ですし、債務者Aは何ら法律行為を行いません。親は債務者でないから遺言を詐害行為ということはできません。

しかし遺言により何も相続財産を取得できなかったAは遺留分減殺請求で一定の財産を得る権利があります。ただし請求をするか否かはAの任意です。 Aは請求しません。

そこで債権者はAに代位して遺留分減殺請求を行いました。債権者は債務者に代わり債務者の権利を主張できます。「債権者代位」です。債権者がAになり代わりBに対して財産を求めたのです。

《判決》 最高裁(平成13.11.22)では、遺留分減殺請求は債権者代位の対象とはならないとしました。遺留分減殺請求は相続人の一身に専属する権利であり、他者がこの意思決定に介入することは許されないからです。

そして親の財産については債権者が担保として期待すべきものではないので、代位を許さなくても債権者を不当に害しないとしています。

結論として親の相続財産を子の借金から守るためには

(1)遺産分割協議で何も相続しない  ×

(2)何も相続しないで済むようにと相続の放棄をする  ○

(3)親が生前の遺言により何も相続させないようにしておく   ○

ということになりましょうか

相続法務センターは遺産分割、遺言作成、相続放棄、相続事業承継対策など、さまざまな相続に関する法務手続をサポートいたします。

メールでのご相談・ご依頼は 24時間全国対応です。
(※通常24時間以内に返信いたします。)


相続に関する
ご相談・ご依頼はこちら⇒