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相続Q&Aコーナー

相続法務センターの相談実例をQ&A形式でまとめました。下記リンクよりジャンプしますので参考にされて下さい。

なお「相続・遺言Q&A」のコーナーは随時追加していきます。

相続放棄した場合、遺族厚生年金を受給する事が出来なくなりますか?

生命保険の死亡保険金は相続財産ですか?

印鑑ではなく拇印が押されている自筆証書遺言でも有効ですか?

公正証書遺言の証人になれるのは?

父が亡くなり相続放棄の為の熟慮期間経過後に、父の多額の保証債務が発覚しました。私たち相続人が引き継ぐのでしょうか?

遺贈と贈与、死因贈与の違いについて教えてください

相続人の一人が行方不明なのですが・・・

遺産分割が完了した後に被相続人によって認知された子供が現れ、相続権を主張しています。どうなりますか?

父が亡くなり、遺言書が出てきました。相続人は子供である姉と私の2人です。遺言では、姉に多くの財産がいくことになっていますが、姉は、私達夫婦がずっと父の面倒をみてきたことを承知しており、自分1人がそんなにもらうことはできないと言ってくれます。遺言を無視した分割はできるのでしょうか?

一部だけ他人が書いた遺言は無効でしょうか?

遺産の建物が未登記でしたが・・・

受取人指定の死亡保険金がありますが、相続放棄すると受け取れませんか?

被相続人の預金を被相続人の葬儀代金として消費してしまいましたが、これでもなおかつ相続放棄は出来ますか?

相続放棄した場合、遺族厚生年金を受給する事が出来なくなりますか?

遺族年金を受ける権利は、当該遺族の方ご自身に生じる固有の権利です。つまりは被相続人の相続財産に含まれないと扱われます。従いまして、死亡した人の借金から免れるため相続放棄したとしても遺族厚生年金を請求する権利は失わないと言う事になります。

生命保険の死亡保険金は相続財産ですか?

これは遺産分割時にしばしば紛争の材料になる部分です。
相続財産には、土地とか有価証券、現金、預金など被相続人の死亡の時に有していた全財産が相続財産になるわけです。
一方生命保険金・退職金・遺族年金など死亡を契機として、その遺族に給付されるものについては、被相続人の財産ではないわけで遺産とは異なります。
生命保険にしても退職金にしても、一般には受給権者が指定されており、その者が保険会社、会社に対して請求できる仕組みになっています。これを、相続と切り離して、勝手に処分する者がいます。また、相続財産から隔離して、相続性はないとして処理する弁護士もおります。
しかし、退職金は生前の賃金の一部の積み立てという意味があり、したがって、性格としては相続財産と評価すべきものと考えられます。
次に、生命保険金は、保険会社との関係で保険契約によって支払われるので相続財産とは性格が異なります。 しかし、その額が大きい時、相続人間の公平が大幅に害されます。 このような時は、その保険金受取人である相続人は、特別受益があったものとして処理されることになります。
これは、判例にもあります(大阪家裁家事部昭和35年3月30日決議)。

印鑑ではなく拇印が押されている自筆証書遺言でも有効ですか?

判例により、拇印を押した自筆証書遺言も有効であるとされています。ただし、この判例は自筆証書遺言に関してのものですので、秘密証書遺言の場合には問題が残ります。しかし、自筆証書遺言であるなしにかかわらず、原則どおり印鑑を押すのがベストでしょう。

公正証書遺言の証人になれるのは・・・

公正証書遺言を作成するには、2人以上の証人が必要と規定されていますが、以下のように証人になることの出来ない者というのが定められています(民法974条)。
○未成年者
○相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族
○公証人の配偶者・四親等内の親族および公証役場の書記・雇人 (事前に公証人に確認をしてもらうのがよいでしょう。)

父が亡くなり相続放棄の為の熟慮期間経過後に、父の多額の保証債務が発覚しました。私たち相続人が引き継ぐのでしょうか?

相続とは被相続人が有していた財産だけではなく、債務もその対象となりますが、相続人にとって酷なので、相続放棄という制度が認められています(相続放棄のページ参照)。
ところで、相続放棄は相続の開始があったことを知ったときから三ヶ月以内にするのが原則です。 しかし、被相続人がどこでどのような負債を負っているかが、この三ヶ月以内で判明するとは限りません。
相続から三ヶ月以上たってから突然債務の履行を請求された場合はどうなるのでしょうか?
この点、最高裁判所は、被相続人の生活歴、被相続人と相続人との関係その他の状況からみて、その相続人が、「被相続人には債務も相続財産もまったくない」と誤信してもしかたがないような事情があれば、その債務があることを知ったときから三ヶ月以内に相続放棄をすればよいとの判断をしています。

遺贈と贈与、死因贈与の違いについて教えてください

法律的な解説になりますが、遺贈は、遺言による単独行為であり、この点で死因贈与と異なります。 また、死因行為である点で生前贈与と異なります。
受遺者(遺贈によって利益を受ける者)は、相続人などの自然人に限らず、法人も受遺者になることができます。
しかし、遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは(同時死亡の場合も含まれます)その効力が生じません。
また、受遺者の相続人はその地位を相続することはできません。
受遺者は、遺贈を強制されることはないので、自由にその遺贈を承認し、あるいは放棄することができます。
遺贈には包括遺贈と特定遺贈があります。
前者は遺産の全部または一部を一定の割合で示してする遺贈。受遺者の地位は相続人に類似しているといわれます。そのため、包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します(民法第990条)。
後者は特定の具体的な財産的利益の遺贈。遺贈も財産の処分ですから、条件や期限をつけたり、一定の負担を負わせることが可能です(負担付贈与)。
死因贈与とは、贈与者の死亡のときからその効力が発生するものと定めた贈与をいいます。死因贈与は、贈与者の単独行為ではなく、受贈者(相手方)のある不確定期限付の契約であることから、受贈者の同意が必要となります。
死因贈与を行うには、贈与のように遺言の方式による必要はなく、任意の契約書を作成すれば有効となります。また、死因贈与には、民法上、遺贈の規定が準用されます。

相続人の一人が行方不明なのですが・・・

相続人の一部を抜かした協議は無効ですので、妹さんとのみ遺産分割協議をしても意味がありません。
できれば弟さんを探し出すのが一番なのですが、それが不可能な場合は、「不在者の財産管理人」を家庭裁判所に選任してもらわねばなりません。
財産管理人が、裁判所の監督のもとで、弟さんのかわりに、遺産分割協議に参加することになります。
なお、弟さんの生死自体が7年以上不明の場合には、家庭裁判所に申し立てて失踪宣告をしてもらい、不明時から7年経過した時点で弟さんが死亡したものとして、弟さんを除いて、遺産分割協議をすることが可能です。

遺産分割が完了した後に被相続人によって認知された子供が現れ、相続権を主張しています。どうなりますか?

その子の認知が相続開始前であれば、既に行われた遺産分割協議は無効であり、やり直す必要があります。 一方死後認知により相続権を回復した相続人の場合は、価額賠償することになります。

父が亡くなり、遺言書が出てきました。相続人は子供である姉と私の2人です。遺言では、姉に多くの財産がいくことになっていますが、姉は、私達夫婦がずっと父の面倒をみてきたことを承知しており、自分1人がそんなにもらうことはできないと言ってくれます。遺言を無視した分割はできるのでしょうか?

相続人間で合意すれば、遺言と異なる遺産分割をすることが可能です。
遺言は、遺言者が死後自分の財産の処分の仕方を指示する場合、当然相続人らが遺言に従うことを期待しますが、相続や遺贈については、放棄したり、限定承認することまで認められています(民法922・938条)。
高齢化とともに、分別の薄れた遺言者が、実情にあわない遺言をすることで、それまで仲のよかった兄弟姉妹が、「相続」を通じて「争族」となる弊害がしばしば問題となります(遺言のページ参照)。
共同相続人の協議により、納得のいく遺産分割が実現できれば何よりではないでしょうか。

一部だけ他人が書いた遺言は無効でしょうか?

遺言書の一部を自書し、他の部分を他人が書いた遺言を、自筆の部分まで無効とするかかが問題となります。
判例では、加除変更について、他人がなした加除変更部分だけを無効としています。
但しこの判例は、他人がなした加除変更部分が遺言中の僅少部分に止まり、付随的補足的なものであって、その部分を除外しても遺言の主要な趣旨は表現されているとみたからです。
学説はいろいろあるようですが、加除変更によって遺言の意味が全く変わるようでしたら、無効であると言わざるを得ませんが、誤字を修正したり、財産の特定を補足するような加除変更はその部分を無効だとしても、遺言の意味は変わりませんので、遺言全体を無効とするのは酷といえましょう。

遺産の建物が未登記でしたが・・・

いざ相続と言う段階になって、対象遺産である建物が未登記であった事が判明する事は稀有なことではないようです。
この場合相続人が、被相続人に代わって通常の新築した建物を登記する場合と同様「建物表示登記」を申請した後、「所有権保存登記」を申請することになります。
「建物表示登記」を申請する場合に、被相続人が建築した建物であることを証明する書類として、 建築当時の建築確認通知書、建築業者の工事完了引渡証明書、工事請負契約書、工事代金の領収証(これらのいずれか)、建物の評価証明書等と「相続証明書」というものが余分に必要となります。
この相続証明書とは、相続関係の分る戸籍謄本、遺産分割協議書等のことをいいます。
その他にも、申請人の住所を証する書面、管轄登記所に提出する建物図面、各階平面図が必要となります。
建物を建築してから相当の期間が経過している場合には、前記のような必要書類をそろえることが難しい場合もありますので、そのような場合には、管轄登記所に相談してください。

受取人指定の死亡保険金がありますが、相続放棄すると受け取れませんか?

生命保険の保険金請求権は相続財産ではなくて、受取人であるあなた自身の財産ですから、あなたが相続放棄しても生命保険は受け取れます。

被相続人の預金を被相続人の葬儀代金として消費してしまいましたが、これでもなおかつ相続放棄は出来ますか?

もともと、葬儀費用は相続財産で負担するものですから、葬儀費用に使ったからといって相続放棄には影響ありませんので、安心して下さい。

<判例>

平成10年12月22日福岡高裁宮崎支部決定、家裁月報51巻5号49頁

被保険者死亡の場合はその法定相続人に支払う旨の約款により支払われる死亡保険金は、特段の事情のない限り、被保険者死亡時におけるその相続人であるべき者の固有財産であるから、抗告人(申述人)らによる同保険金の請求及び受領は、相続財産の一部の処分にあたらない。

平成4年8月17日名古屋地裁判決、判例タイムズ807号237頁

保険金の受取人を「被保険者の相続人」と定めている・・・・搭乗者傷害保険の被保険者が死亡した場合、保険金請求権は第一順位の法定相続人が固有財産として取得し、相続放棄をしてもその請求権を失うものではない)。

昭和60年10月25日東京地裁判決、判例時報1182号155頁

保険金受取人を法定相続人と指定した傷害保険において第一順位の法定相続人が相続放棄した場合でも右相続人が保険金請求権を有する。

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