農地相続/農業承継問題
遺産分割と農業後継問題
農地相続をめぐるケースは、いろいろと特殊な難しい問題が生じます。
家督相続時代であれば、このような問題はありませんでしたが 現行民法では兄弟の相続分は均等に権利が与えられています。
とは言え本家と農業を継ぐ兄弟にとって農地を細分化してしまえば、農業経営は出来ません。この事は分家したほかの兄弟も理解していますし、既に遠隔地に分家している場合も多く、傾向として要求してくるのは、代償分割による相当分の現金などの財産です。
しかし、農地以外に分割できる余裕財産があればよいのですが、只でさえ昨今の農業経営の厳しさもあり、分割できる財産 が他にない場合も少なくありませんから、他の相続人から遺産分与の要求があっても、応じることが難しくなります。
最も良い解決は、親が生前に他の相続人に頼んで遺留分を放棄してもらうことです。
農業を続けるには長男一人が農地を相続する必要があることを、親が説明して他 の相続人に理解させましょう。(親がと言う点が一つのポイント)
もしくは生命保険金を利用して受取人に長男以外の 兄弟を指定したりするという工夫をすることも有効な手段でしょう。
農村地域では特に未だに長男が農家を継いだら他の分家した兄弟は相続分は主張しないのが当たり前という思潮が強く、上記のような面倒な配慮をしなくても我が家に限っては大丈夫と安心している方が多いのが現実ですが、いざ当の親が無くなって兄弟同士の問題となると別の心理も働くもの、また狭い地方のコミュニティとも離れれば、周囲の目も気にならなくなります。
都会での生活が長いと正当な権利を主張する考え方も次第に身についてくるもの。また親の知らないところでの確執もあるかも知れません。 これはある親の”油断”といえるのではないでしょうか?
当事務所の取扱事例からもこの傾向が伺えます。
農地の評価方法
不動産としての農地には相続税評価の際にも以下のような特殊性があります。
農地の相続における評価方法
資産の種類 |
評価の概要 |
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農地 |
純農地・中間農地 | 固定資産税評価額×倍率 |
| 市街地周辺農地 | (宅地の評価額−造成費)×0.8 | |
| 市街地農地 | 宅地の評価額−造成費 など | |
貸 農 地 |
農地の評価額×(1−耕作権割合等※)
※ヤミ小作の場合は、0 |
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農業用施設用地の相続評価
(平成12年財産評価基本通達改正)
農用地区域内又は市街化調整区域内に存する農業用施設用に供されている宅地の場合 |
その宅地が「農地であるとした場合の価額」に、「その用地を農業用施設用地とする場合に必要な造成費相当額」を加算した金額とします。 ここでの造成費とは、整地、土盛り、又は土留めに要する費用の額がおおむね同一と認められる地域ごとに国税局長が定めるものです。 したがって、倍率方式による地域の場合の評価は、基準となる付近の農地の1uあたりの固定資産税評価額(農地価額)に、地目別の倍率を乗じ、それに造成費を加算して求めた1uあたりの評価額に地積を乗じます。(以下の式参照) (農地価額×農地の倍率+造成費)×地積 |
農業用施設用地が既存宅地、既存集落内やその地域に隣接しているため、通常の宅地と同水準の価格で取引されると見こまれる場合 |
付近の宅地の価額に準じて評価されます。 固定資産税評価額に準じた価額(宅地価額)に、宅地の倍率を乗じて求めた1uあたりの評価額に地積を乗じます。(以下の式参照) (宅地価額×宅地の倍率)×地積 |
*実際の評価判断にあたっては現地の調査が必要となります。
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