遺産分割紛争増加の背景
遺産相続事件で最も多いのは、遺産分割を巡っての争いである。それは、自分は相続に預かれるか、自分の相続するのはどの財産で、それが他の相続人に比べて価格的に損をしていないかなど相続人間の利害が最も対立する場面であるからであろう。
道徳観、価値観が現在とは異なった戦後間もないころは、遺産相続においても、それら道徳観などから、当事者間に争いがあっても、裁判所の門をくぐることは少なく、当事者間で一応の決着を見ていたものと思われます。
昨今の遺産分割紛争増加には、以下の背景が伺える。
- @戦後の民主教育、人権教育を受けた良くも悪くも権利意識の確立した世代が、場面に登場する相続人の殆どを占める様になってきているという時代の流れ(日本人的感性の希薄化?)
- A個人主義の普及と家族親族意識の低下、モラルの低下
- BIT普及など容易に関連情報が得られる状況への変化
- C長引く景気低迷を背景として経済的精神的に余裕の無い相続人および周辺関係者が増加
- D昨今の社会情勢・風潮と相続問題への影響
少子化傾向から〜 子供がいない方の実例
子供が無い場合、その家系の後継者が先に死亡した場合(親も既に死去)、次に(その家に嫁いできた)配偶者が死亡することになりますからその段階では元々その家系の財産であったものが、大方配偶者の家系へ移転する事になります。
財産の多い旧家などではこのような事態が起こる事は、その分家の人々にとって何とも耐えがたいのも現実ですね。
このような事も想定してご自身に万が一の事が起こった場合の財産の行く末についても是非に考えておくべきなのです。(遺言の薦め参照)
離婚増加との関係〜(離婚は相続問題の複雑化を招きます)
夫の先妻の子に自分の財産が渡るのは嫌だ
ご主人に先妻との間の子供がいる場合、(先妻の元に残していても)ご主人の相続人は先妻の子と現奥様、そして、奥様とご主人にできた子供になります。
このケースで最初に奥様がお亡くなりになられた場合、遺言がなければ奥様自身の財産は法定相続分の1/2がご主人に相続されます。
その後、ご主人が亡くなればその財産の一部が先妻の子供に流れてしまう可能性があります。
ご主人にとっては実の子でも、奥様にとっては全くの他人。財産を相続させたくないのが現実の心情は当然と言えます。
夫に先妻の子がいる場合は遺言をご検討されては? (遺言の薦め参照)
こうした背景から遺産分割の段になると、親族を失った悲しみなど何処かに置き忘れたかのように、熾烈とも言える争いになる傾向が増大してきている。まさしく相続は争族(骨肉の争い)と化すのです。
一方、当事務所周辺も含め地方農村では人口比でも「争族」事件は少ない様です。
これは勿論上記の様に教育レベルの問題に起因する権利意識の未発達などとは言いませんが、職業(農家)上の背景も有り未だ家督相続的感覚が根強く残っている事、コミュニティが良くも悪しくも密接な地方では周囲の目が気になる環境に有ると言う事が一因すると考えられます。
※上記のように既に紛争化してしまった事件は、弁護士専管業務となり、当事務所への御依頼は頂けませんが、こうした相続紛争を未然に防ぐため、予防法務の専門家として当事務所では遺産分割方法、遺言作成の相談、相続手続の御依頼をお受けしております。
相続法務センターは遺産分割、遺言作成、相続放棄、相続事業承継対策など、さまざまな相続に関する法務手続をサポートいたします。
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